インタビュー 実際にトライアル就業を経て直接雇用をした企業様、直接雇用になったシニアの皆様

経験を強みに ―シニア世代の職場貢献

企業インタビュー者
株式会社くらし企画

Oさん 
職種:卸売り、企画、製造、ECサイト運営・販売

Q.現在のお仕事について教えてください。

週5勤務で、週に2回は17時まで、週に3回は18時までの勤務をしています。現在は経理の一部分、売掛金の管理という部分的な業務を担当しています。私以外に3人の方がいますが、直接関わっているのは40代と50代くらいの方2人です。

Q.この事業に参加してみようと思ったきっかけはなんでしたか?

今まで主に経理の仕事をしてきました。給与計算や保険事務などの経験はありますが、総務はそんなに経験がないです。経理が一番多かったという感じですね。

何か活かせる仕事がないかと探していたところ、経理の仕事があることを知って以前一度トライアルに参加したことがあったんです。その時はトライアルで辞めてしまって、別の派遣会社で働いていました。その会社を辞めようかと考えていたときに、キャリアアドバイザーさんから再度こちらの事業の案内があり、すぐに参加を決めました。

Q.トライアル制度を経験されて、いかがでしたか。

やることが明確だったので良かったです。丁寧に説明していただきましたし、「これをやってほしい」というのがはっきりしていました。わからないことを聞いたらすぐに教えていただけて。内容自体も直前までやっていたことと似ていたので、あまり不安はありませんでした。

仕事内容を聞いて大変そうだと思いましたが、大変な仕事ほどやりがいがあると感じました。量は多いですが、挑戦する価値があると思っています。

会社の社員の方がちゃんと見てくださるという安心感がありました。若い方と一緒に働くことにも抵抗はなく、むしろ面白いです。同級生と話すよりも面白いんです。世代的な背景が違うので、自分が知らないことを知れるのが楽しいですね。

オフィスではゴミ捨ても率先してするので驚かれることもありますが、私にとってはいい気分転換になります。細かい作業ばかりですからね。汚い職場で仕事するのは嫌ですし、誰かがやらなければいけないと思っています。

Q.今後の働き方については、どのようにお考えですか?

元気ならずっと働き続けたいですね。上司からは「慣れてきて、もっと早くできるようになれば、他の仕事もやってもらいたい」と言われていて、やれることは全部やりたいと思っています。

仕事は私にとって習慣みたいなものです。ハードルが高いとはあまり思わないんです。慣れていることだし、やってきたことの延長線上にあるので、やればなんとかなるという気持ちがあります。収入も関係しますが、何より仕事が楽しいと思えるかが大事ですね。

仕事を通していろんな方と関われるのも大きなメリットだと思っています。いい緊張感がありますし学びもあります。

仕事以外では欧州サッカー観戦が趣味ですが、家事もこなしながら忙しく過ごしています。私の友達も近所の人も働いているので、自然と働くことが当たり前になっているのかもしれません。

受入れ企業の声

シニアだからこそ輝く経験と人間性―深い知識と穏やかな対応力に期待

企業インタビュー者
株式会社くらし企画

代表取締役社長
三重野豊さん

事業本部 経理・総務部 経理・総務課 サブマネージャー
天野大輔さん

企業情報

お得意先様、Eコマースを通じて生活に役立つ商品を企画・販売。
常に「お客様のニーズ・ウォンツ」にお応えする新しい商品開発、販売企画を創造し続けている。

Q.東京キャリア・トライアル65の利用前は、どのような課題を抱えていましたか?

インタビュー者

株式会社くらし企画 代表取締役社長 三重野 豊さん(以下三重野さん):
今までの人材、人員だけではなかなかうまく回らない、という課題がありました。特に経理・総務部門では即戦力が必要でした。また生協ビジネスの事務担当は卸売業務の専門知識が求められます。月300社ほどのメーカーから商品を仕入れて生協に提案するため、膨大な量の企画書作成が必要になります。通常の求人では経験の浅い第二新卒が応募してくることが多く、即戦力にはなりにくい。一方で、長年同じ分野で働いてきたシニアの方は、すでに高いスキルを持っていて、豊富な経験からすぐに活躍していただけると考えました。

Q.本事業に参加されたきっかけを教えてください。

インタビュー者

事業本部 経理・総務部 経理・総務課 サブマネージャー 天野 大輔さん(以下天野さん):
私の前の職場でキャリアトライアルを利用していたんです。経理の人材が集まりにくい中、事務系は引退された方でもスキルの高い人材が多いことを知り、弊社でもマッチするのでは、と提案しました。

三重野さん:それまでは派遣会社にお願いしていましたが、経理部門では年に3人も変わってしまうことがあったんですよ。だから天野からの提案を受け、すぐに試してみることにしました。

Q.トライアル制度を経験されて、いかがでしたか。

三重野さん:非常に良い制度だと思います。実務能力だけでなく、会社の文化や仕事のペースがシニアの方に合っているかどうかを双方が確認できますからね。当社は中途採用が多いのですが、面接だけではなかなか分からない部分があります。1ヶ月くらい経って初めて見えてくる業務の適性や人間関係もありますから、トライアル制度は非常に有効です。

天野さん:トライアル期間は人材と企業の相性を確認するのに最適です。実際の現場で仕事をしてもらうと、スキルの手応えだけでなく、社風に合うお人柄かどうかも見ることができます。

三重野さん:やってほしいことが明確でしたから、そこをしっかりと伝えることができたことで持っている力を発揮してもらえたのではないかと思っています。力を発揮していただける環境を用意することは心掛けました。

Q.シニア人材活用のメリットを感じる点を教えてください。

三重野さん:何といってもお人柄ですね。融和的で尖っておらず、前向きで真面目です。仕事に対する意欲も高い。また、専門性やカテゴリーを選べるのも大きいですね。経理・総務の方は5ヶ月経ちますが、社員と気さくに話をされていて、非常に馴染んでいますよ。

単なる経理業務だけでなく、率先してゴミ捨てをしてくれるなど、驚くこともありました。営業職はルーティンワーク以外の要素も多いため難しい面もありますが、管理部門系や物流セクションなどでは、シニアの方が活躍できる場は多いと思います。今後も企画書作成などの業務に特化して活用することを考えています。

天野さん:社内では総務事務も人手不足で対応しきれていないのが現状です。ご本人は経理をメインでやってきたので総務経験が少ないとおっしゃっていましたが、相談したところ意欲的で、できることならやりますと言ってくれましたし、実際にお願いしてみたところ形にしてくれたので安心感を覚えました。今後様子を見ながらお願いできたらと思っています。

三重野さん:今は人材不足の時代です。シニア人材の活用は、どの会社にとっても良い選択だと思います。働く意欲のあるシニアの方々の道が開け、お互いにWIN-WINの関係が生まれます。個人的には、自分より上の方が入ってくると安心感があるのも事実です。シニアの方々の経験から生まれる素晴らしいポテンシャルをどう活かすかは、我々企業側次第だと思っています。

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