インタビュー 実際にトライアル就業を経て直接雇用をした企業様、直接雇用になったシニアの皆様

『今の65歳は昔と違う』―経験豊かなシニア人材が事業復興の礎に

企業インタビュー者

株式会社ベルシャン

代表取締役 
本多実さん

企業情報

オーダーシューズ専門店として創業し多くの方の靴のお悩みを解消してきた。
現在はオーダーシューズ製造販売に加え、ヘルスケア商品製造販売も行っている。

Q.東京キャリア・トライアル65の利用前は、どのような課題を抱えていましたか?

コロナ禍で事業存続の危機に直面し、大幅な縮小を余儀なくされました。私どもの会社は50年ほど前に設立し、足の悩みを持った方に向けたオーダーシューズを扱っています。

コロナが始まると突然お客さんの足が止まり、長い間誰も来ない状態でした。30人ほどの社員を抱えて維持するのはもうやっていけないということで、人を減らし、さまざまな機械類も処分しました。

廃業せざるを得ない状況にありましたが、うちのようなお店がないと足に悩みを抱えたお客さんが困るんですよ。だから『げんきパワーシリーズ』などのヘルスケア商品を中心に、なんとか時間をつないできました。

コロナは無事に収束しましたが経営状況が元に戻るわけではありません。この『げんきパワーシリーズ』を会社の基盤にしていきたい。そのためには商品の取り扱い店舗の増加や認知拡大をしなければなりませんが人手が足りていませんでした。

Q.本事業に参加されたきっかけを教えてください。

インタビュー者

ヘルスケア商品を広めるためのマンパワーが必要になり、色々と調べていたところ、この事業を知ったことがきっかけです。何でもかんでも私一人でやるわけにはいきませんからね。しかし、ゼロから社員を採用して研修するには時間と手間がかかりすぎます。

本事業の仕組みでは1〜2ヶ月のトライアル期間があり、65歳以上の方の経験を活かせます。新人より知識豊富な方が多いですし、当社の販促方法に合った人材かどうかを、短期間で見極められるのが魅力でした。

Q.トライアル制度を経験されて、いかがでしたか。

お互いに適性を確認できる合理的な仕組みだと感じました。非常にユニークで良い仕組みです。

トライアル制度の応募者については、スキルが詳しく記載された資料があるので、判断しやすいです。通常は履歴書持参で面接して、イエスかノーかという判断を下すだけなので、迷いが生じたりリスクが伴ったりすることもあります。でも、事業で紹介された方は過去の履歴が詳しくわかるので、非常に重要な判断の元になりますね。また、スタッフ側も実際に仕事をやってみて合うか判断できるので、お互いにメリットがあります。
なによりも仕事ぶりがいいんです。

ですが仕事をするうえで無理があってはいけません。採用するにあたってはご本人の体調面も考慮しようと考えています。

Q.シニア人材活用のメリットを感じる点を教えてください。

経験豊富で几帳面、自主性のある人材が即戦力となっています。シニアの方は、うちのような新人教育の余裕がない会社に最適です。シニアの方は仕事ぶりが良く、指示したことへの対応力もあります。今は直接雇用で2名のシニアの方に来ていただいていますが、なんの問題もありません。本当に素晴らしいです。

シニアは真面目にコツコツ仕事をしてくれるから、安心して任せられる。言われたことだけ受け身でやるのではなくて、自主的な提案もしてくれます。今の65歳は昔と違います。私自身は81歳ですがまだまだ元気です。シニアの方はやる気旺盛で、人材不足という問題を解決するにはピッタリです。人材不足に悩む会社はぜひ、トライアル制度を利用してほしいですね。

シニア従業員の声

65歳からの新規開拓 ―シニア営業マンが語る社会とのつながり方

企業インタビュー者

株式会社ベルシャン

Mさん 
職種:新規顧客開拓・営業

Q.現在のお仕事について教えてください。

現在はヘルスケア商品の営業を担当しています。100パーセント新規開拓の仕事です。製品の性格上、実地体験してもらわないとわからないので、基本的には直接訪問するスタイルで営業しています。介護施設や整体院、健康センターなどを回っていますが、最近は洋服店や温浴施設など新しい分野も開拓中です。最近は当たり前のオンラインの活用もしていますが、電話でアポイントを取って8割くらいは直接訪問するようにしています。週2回の勤務ですが、イレギュラーでイベントが入ることもあります。

Q.この事業に参加してみようと思ったきっかけはなんでしたか?

インタビュー者

5年ほど区役所に派遣で働いていた経験があり、他の派遣はなにかあるのか興味がありホームページを時々チェックしていました。その際にキャリアトライアルの存在を知ったんです。

区役所を辞めた時点で65歳を過ぎていて、仕事探しが難しいと感じていました。インターネットで色々な求人サイトに登録しても、65歳を過ぎるとほとんど反応がもらえないんです。60歳を過ぎてもある程度反応はあったのに、65歳を過ぎると極端に少なくなります。

本事業が65歳以上の方に仕事の場を提供していることを思い出し、応募しました。最初は事務の仕事も選択肢にありましたが、ヘルスケア事業は今後の社会に良いかもしれないと思い、応募してみました。

Q.トライアル制度を経験されて、いかがでしたか。

トライアルという制度があったからこそ、ヘルスケアという未経験の業種に挑戦できたと思います。1か月間、週3日で働いてみて、自分でも続けるかどうか迷う部分もありましたが、社長から「好きな時でいいから続けてくれないか」と言われ、雇用に至りました。

この仕事は新規開拓で難しい面もありますが、話を聞いてくれる企業が1件2件でも出てくると達成感があります。商品自体はまだあまり知られていませんが、効果があると実感していますし、社長の熱意もあるのでやりがいを感じています。

65歳以上の人は仕事の機会がなかなか得られませんから、トライアルの場を設けてもらえるのはありがたいです。非常に良い仕組みですね。事務や営業、技術系など様々な職種があるのも良いですね。トライアル期間があることで、自分に合うかどうか、会社との考え方のすり合わせができるのが大きいです。

Q.今後の働き方については、どのようにお考えですか?

特に何歳まで仕事をするという目標はありません。できるだけ長く、何かしら社会と関わっていきたいですし、この会社で成果を出していくことに力を入れたいですね。

実は週2日のこの仕事以外にも、不動産系の建物管理の仕事や、空港でのインバウンド調査の仕事もやっているんですよ。知らない方とどうコミュニケーションを取るか、丁寧な対応が必要という点では、すべての仕事に共通点があると感じます。定年後に色々と事務系をやってきましたが、やはり歩き回る仕事の方が自分に合っているようです。

年齢が上がると過去の経験にこだわりがちですが、それが前に進む障害になることもあります。でも、ダメだと思わないでなんでもトライアルしてみることが大切です。社会とのつながりは自分自身の健康維持にも役立ちます。シニアもいろんなことに興味を持って、新しい挑戦をしてみるのがいいと思いますね。

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